ヘンな格好の専業トレーダーの人生の書を読みました
早速、Amazonで中古本を買いました。この本の著者は木原直哉という方で、北海道出身で東大卒のプロポーカープレイヤーです。2人とも北海道なので、ご当地びいきだったのかと心配しましたが、内容は人生を含めた確率思考を示す真面目な本でした。
このプレイヤーはプロになって2年目か3年目にラスベガスで2番目のビッグタイトルを取った人です。マグレかと思うかもしれませんが、どうしてどうして努力の人です。
内容を少し解説
最初に、「ポーカーはギャンブルではなく、ビジネスである」と言います。その通りです。解説しますが、学問としてその地位を確たるものにしている確率論はもとはギャンブルの研究から始まったのです。確率は今ではビジネスや日常生活にも浸透しているんですよ。
ポーカーは人生のように複雑ではないので、確率が表れやすいとのことです。ポーカーにも運とかが紛れ込みますが、長い目で見ると確率に収束されるのです。
つまり中長期のポーカーの勝敗は確率に従います。確率を別の見方をしますと、期待値というのがあります。これは、勝ったら得られる儲けに勝率を掛け、ベット金額(コスト)を引いたものを言います。この期待値がプラスになるゲームを選ぶのです。マイナスになるような場合にはさっさと降りるというのが基本です。
因みに、ポーカーは降りること、つまり小さく負け続けるゲームなのです。だいたい8割方は降りるといいます。有利な局面が来るのをずっと待つのです。大きな期待値が見込めれば勝負に出るのがポーカーで勝つことでもあります。
ゲームの中では、ラッキーなこともあります。しかしこれは単なる一事象に過ぎず、結局は確率に収れんされると考えます。なので確率から少し離れたラッキーあるいはアンラッキーがあったとしても気にしない方が良いといいます。
また、著者は過去の偉大な戦略家の手法の利用はできないし、世間一般で言うポーカーフェイス的なことも勝負には役に立たないといいます。何故ならば、ゲームは、一回一回独立したものであり、過去から切り離されているからです。つまり過去にあったからどうだというのは最初から成り立たない話なのです。
ゲーム以外では、東大出のプロポーカープレイヤーですから、世間一般的には「もったいない」というかも知れませんが、著者は歯牙にもかけません。人生でも同じです。好きなことをやる方が期待値が遥かに大きいからです。
著者は歴史好きで、武田信玄が好きとか。信玄は部下の話をよく聞いたことをこう解釈します。すなわち、自分自身確りした基準を持って話を聞き、基準に合っていれば新たな情報として受け容れ、そうでない場合はさっさと捨ててしまうのだと。
ですがアンチのいうことなど聞く必要がないといいます。当人にプラスになることは絶対にないからです。
著者は考えることで期待値を上げるように努力します。
限られた時間とお金の中で、どの大会に出るのが最も効率がいいか。ここはレイズすべきか、降りるべきか。チップを大切にするか、順位を狙うべきか。この手でオールインの勝負に出てしまうべきか。そんなことをひたすら考え続けます。
by 木原直哉
トレードに応用できるか?
まさにカニさんトレーダーはこの本を読んだ後、開眼し安定して儲けられるトレーダーになったのですから応用できると推測できます。
FXトレードにおいても期待値はあります。
FXの場合、ベットではなく損になります。そして勝率つまり勝てる確率が重要な要素であるのはポーカーと変わりありません。勝率は何回もトレードを繰り返し得られるものです。経験として認識されることもあります。
期待値がプラスである限り、中長期的には利益を積み増しているはずです。これさえ確認できれば、短期的な運不運など気にする必要はないと言うことです。一喜一憂するなと言われたりしますね。
それと確りと自分のトレードを把握していることです。第三者のいうことは、原則いい加減であることを理解し、取捨選択が適切にできないといけないということです。特にトレードしてない奴のいうことなど無視で良いでしょう。FXグルの中には遮断せよという人もいますが、慇懃無礼に無視した方が良いのでは?
ポーカーは不完全情報ゲームと分類されます。完全に情報を得られない点では、FXトレードも共通するところがあります。なので、ポーカーの極意はFXトレードの極意に通じると考えてもよさそうです。