フランス人の数学者バルサラという人が導き出したものです。
学者が言うことですから前提条件下で論理的に正しいものです。
この破産確率の解釈で大事なことはぎりぎりで勝負をするなということです。
バルサラの破産確率とは
一定の条件、例えば勝率とかリスク・リワード比率(RR比率)を前提にして、
トレードを繰り返すと破綻するケースとか、しないケースとかに分かれます。
バルサラはこの条件別の破産確率を難しい式から導き出しました。
数学者が考えるだけに正直難しいです。
しかもトレーダーには式の段階までの理解は不要です。
しかし、一応書いておきます。
破産確率Qを求めるのですが、勝率をp、RR比率をbとし、
元本に対する資金比率をfとして、以下の式が成り立ちます。
x=p×x(b+1)+(1-p)
xは、0<x<1の条件を満たす
Q=x(1÷f)
この式を見て、解析的には算出できないと見抜くのは数学大好き人です。
実際、答えを出すには近似法(エクセルではゴールシーク法)を使います。
もうこの辺りで、数学が好きでないブロガーたちはついていけず、
間違った説明をしがちです。間違っていても大勢に影響ないですが。
式を見て分かるように、変数が3つです。ケリー基準では2つでした。
バルサラは資金比率を変数にしています。
つまり、資金比率が違えば破産確率が違うということ。ごもっともです。
Googleで検索していたら、エクセルで計算の仕方を説明し、
有難いことにエクセル・ファイルのダウンロードできるサイトがありました。
➡バルサラの破産確率表をエクセルで作ってみる(ダウンロード可能)
というページです。有難やありがたや。
破産確率表例と解釈例
早速ダウンロードしたエクセル・ファイルを使って、資金比率5%の
破産確率表を見てみました。結果は以下のように。
少々細かいですね。ペイオフレシオとはRR比率と同義です。
色々条件がありますが、赤色のエリアは破産、黄色は注意、緑が安全という条件です。
象徴的な部分は、勝率50%、RR比率1では破産確率99.8%です。
一般的なイメージでは損も得もないと思いがちですが、
バルサラは破産すると言っています。こういうギリギリなところは慎重にです。
別の言い方をしますと、勝率とRR比率から計算される期待pipsがゼロであっても、
バルサラの破産確率では破産の確率は大きいということありです。
なので甘く考えるのではなく慎重にしないといけないということです。。
バルサラの破産確率とケリー基準
以上のように、バルサラの破産確率は、勝率、RR比率、資金比率を決め、
その条件下で破産確率を出すものです。0%が望ましく、注意ゾーンは5%以下。
それ以上は危険ゾーンと読み取ります。
与えられた条件でトレードを繰り返した場合、安全か破産かを判別します。
一方、ケリー基準は勝率とRR比率の前提から最も収益が大きくなる
最適資金比率を算出します。
両者ともアカデミックな意味では正しい。
つまり、危険な条件の組合せは避けるというのは正解です。
ダブルチェックをしてみてリスクが高い場合は考え直す必要があります。
しかし、安易な応用は問題があるのは何故でしょうか。答えは簡単です。
勝率とかRR比率が前提のように一定じゃないことです。
例えば、ケリー基準で出した資金比率でトレードした場合、
勝率とかが悪化すると、口座を溶かす例も多いということが起こりました。
上手く使いこなすためには、勝率の変化やRR比率の変化を把握し、
新しい条件下での最適資金比率とか破産確率を計算しなおし、
安全な取引を続けることが必要ですね。